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グレース・オーガスティン      緑を食い尽くした種族の希望

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 生物学者のグレース・オーガスティン女史です。もちろん、女王エイリアンと一騎討ちを演じた女戦士 エレン・リプリーではありません。とはいうものの……
 前回の記事にも書きましたけれど、かの豪傑 クオリッチ大佐と互角に渡り合う この女性……心根の強さは 明らかに戦士並みでしたね。
 一流の科学者としての絶対的自信が、彼女を強気にさせているんです。異世界パンドラの驚くべき生態系、および そこに調和して生きる原住種族ナヴィには、(経済的に ではなく) 生物科学的・社会科学的に言って 計り知れない価値があるという確信があるからです。
 更には、(映画の終盤で初めて明らかにされるとおり) 自らの故郷たる地球をメチャメチャに破壊してしまった ヒトという種族の一員として、“人さま” の星で また同じ過ちを繰り返そうとしている同胞たちを、なんとしてでも止めたい、という想いが強いからなのでしょう。
 そんな信念を抱いている彼女は、人類の動向すべてに対して、個人として持ちうる最大限の責任感を負いつつ生きているわけです。


 でも それは、グレースの一面を顕しているに過ぎません。なぜならば、根っからの科学者というものは、没頭できるテーマが存在し、その仕事に勤しむ時間が充分にあり、研究費用が保証されていさえすれば、なぁーんにも文句はない……後はただ 放っといてくれれば それでいい、というのが本音に違いないからです。要するに、その本性からすれば、オタク以外の何者でもないんですね。
 まあ、彼女の場合、ラボに引き篭もってばかりいるわけではありませんから、フィールド・オタク という “亜種” になりますが……。
 で、オーガスティン博士は、紛れもなく 根っからの科学者でしょう!




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グレース・オーガスティン……緑を食い尽くした種族の希望
     じぇいど♪さんへの長すぎるコメント   -

 根っからの科学者たる姿が光っていたのは、瀕死の重傷に 息も絶え絶えの状態にありながら、


 サンプル 採らなきゃ……


 と く場面でした。しかも、このシチュエーションで このセリフは、きっとジェイクにうけるだろうと、重々承知の上で口にしているに違いないところ……本当に見上げたものだと感服してしまいましたね 〔その科学者魂に、感激のあまり 目頭が熱くなったものです〕。
 ………………。
 って、いきなり 深刻な場面に飛んでしまって、恐縮です……。
 でも、どうぞ ご安心ください。このまま死なせたりは致しませんから……。


 薄れいく意識と パンドラの神秘的な夜景とが相俟って、グレースの心理は、ほとんどアルタード・ステーツ つまり意識変容状態へと遷移しています。その最たる段階がトランス状態として知られている この非日常的意識状態では、自他の境界がぼやけ、宇宙との一体感が濃密になってきます。同時に また、自らの潜在意識の深い領域との繋がりも強くなるんですね。
 なので グレースは、目は覚めているけれども夢を見ているような、文字通りの 夢現状態にあって 周囲の世界を見ている……。ジェイクとの遣り取りも主観的には、半ば自己内他者との “自問自答” に近い感覚でなされているでしょう。相手が応じる前からその答えがわかってしまう、みたいな……。
 夢見にあっては生死を意識しません。自分が撃たれたことも、いま死に瀕していることも、彼女の意識には たぶん ないんです。たとえ あったとしても、死が完全な終わりだとは思っていないはずです。夢の中での死は……ただ目が覚めるというだけのこと……。


 本当にエイワがそばにいる……


 こういうセリフが出てくる状態は、神秘体験以外のなにものでもないですよね。「主」 がそばにおられる、だとか……。要するに、大いなる存在の主観的顕現なんです。


 この場面より少し前、ナヴィたちの下へ空輸されているときに、「私は科学者だから、おとぎ話は信じない」 と彼女はジェイクに向かって言ってました。客観的に判断する限り 自分は助からないだろう、という冷静沈着な理解をもって、自分は科学者だと主張しているわけです。内外の現状を正確に読み取って、期待や恐れなどといった主観的感情を排した上で判断を下すのが科学者なのだと……。
 たしかに そのとおりでしょう。彼女の姿勢は、まさに科学者のだと言えるのです。
 ですが……偉大な科学者であるためには、それだけでは充分ではありません。氷のごとき客観性と実証主義的思考法だけではなく、モチーフに対する愛情が どうしても必要なのです。
 「愛情」 という 極めて心情的な言葉が不適切だというなら、強い好奇心 でも、思い入れ でも、なんでも構わないのですが、とにかく自分が研究しているモチーフにトコトン入れ込み、それを体系的に記述することへの已むにやまれぬ意志があってこそ、その科学者は歴史的な仕事を達成することができるんだと思います。
 ましてや グレースの場合、異なった星系の生物群を研究しているからこそ生物学者には違いないんですけれど、自分らと同じ知的生命体であるナヴィたちを相手 〔モチーフ〕 に仕事をしている際の彼女は、文化人類学者となんら変わらないわけです。 で、優秀な文化人類学者の条件は と言えば、クライアントの絶対的信頼を勝ち取り、かれらの仲間になる、ということなんですね。
 「モチーフに対する愛情」 と つい今しがた記した言葉の意味が ここでかに現実味を帯びてきました。相手が同じ “人間” だったら、「愛情」 と表現しても全ぜん不自然ではないでしょう?


 クライアントたるナヴィの、完全な仲間になったのは、グラースではなくて ジェイクスーリ です。「第二の人生」 と表現される 成人として、オマティカヤ族の一員に迎えられました。さすがのオーガスティン博士も、ここまで深く受け入れられるところまでは行けなかった……。大人のフィールド・ワーカーとしての自制心が、完全に “溶け込んで” しまうことに抵抗したのでしょう。
 その点、ジェイク・サリーは、当初こそクオリッチ大佐の尖兵として現場へ降りましたけど、結果的には、ほかならぬオーガスティン博士の懐刀として働いた、というわけなんですね。 これまで 自分がどうしても越えられなかった一線を、もしかしたら突破してくれるかもしれない有能な部下という意味で……。 だからこそ、初めは全く期待していなかった 〔アバター同調訓練時間がゼロ!〕 彼を、やがてグレースは親身になってバックアップするようになっていくんです。
 そのときの彼女の心境は、この若者は 私が抱いているのと同じ誠実・真摯な心をもってナヴィたちに対している、という賛同にも近い信頼感だったのではないでしょうか……?
 前後の経緯を踏まえるならば、アバター身体への “移植手術” をオマティカヤ族にやってもらう段取りを調えたのは、部族の一員として既に認められていたジェイクなのです。この人はどうしても救いたい、とに思ってもらえるような行ないを 彼女自身がそれまでに積み重ねていた、ということがあったにせよ……。


 ですが……(ご存知のように) 遅すぎました。エイワは彼女の意識を新しい身体にトレースすることを拒みます。平たく言えば、彼女のを救うことはできなかったわけです。《生》 の側に彼女を留めることはできなかった……。
 でも、妄想を拡げに拡げた上で述べさせてもらうならば、グレース・オーガスティンという一個人の心底からの願いをエイワが的確に読み取って それを叶えてくれた、ということだったのかもしれないのです。科学者オーガスティン博士としての念願ではなくて、大いなる存在の中で ずっと生きていたい、という人間としての根源的欲求を エイワ 〔グレイト・スピリット〕 が聞き届けた、ということだったのかもしれません……。


 記憶に限らず その連想体系の全てが克明に記録されたのであれば、その限定的アーカイブ領域は 間違いなく自覚意識を持っていることでしょう。言い換えれば、グレース・オーガスティンはエイワという巨大なデータバンクの中で、生きているのです。
 ならば、他のアーカイブとの交感も可能なわけで……。
 生物学者ならぬ文化人類学者たる彼女は、世代を超越したネヴィたちの話を聴く……というよりも 直せつ読み取ることによって、生前世界では決して迫ることのできなかった謎の究明に、ワクワクしながら取り組んでいることでありましょう。




 けっきょく 『アビス』 にも 「技術的側面」 にも、まったく触れることなく終わってしまいましたね。
 どうも、お粗末さまでした。




    2010. 02. 21 完結




「技術的側面」 に執着のある方へ ●気功家SASURAI氏への第2報





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Minr Kamti / 亀谷 稔

Minr Kamti / 亀谷 稔

1961年生まれ。
武蔵野美大卒。
建築プレゼンテーション・調理・知的障害者たちの陶芸制作活動補助、といった職を経た後に、2006年7月より創作活動に専念している微細画家 。2007年1月、銀座 - あかね画廊にて初個展。
今現在('08年4月)の描法は、かつて伐採予定地などで行なっていた舞踏を応用した自動筆記法である。
   著書 『全一の展開
         末端の必然』

             奥付より

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