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ガンマン流 恐怖の乗り越え方

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 実は、すいません……『七人の侍』 観てないんです。
 そんな 紛うことなきモグリが、一文したためよう などという暴挙は、自分のブログだからこそ許されることであって……それを 「長コメ」 シリーズ番外編に繰り入れてしまう図々しさを、どうか ご勘弁ねがいます。


 ……で、自虐的な前置きから いきなり核心に飛びますけど、ロバート・ボーン演ずるリーのオリジナルが黒澤作品にはない、というお話でしたが、たしか 『用心棒』 の中で三船敏郎がハエを手づかみにするシーンがありましたよね。
 ……リーは、ひとり階下のバーで飲んでいるとき、村人相手に 拭い切れぬ恐怖についてブッチャケながら、やはり飛んでいるハエを素手で捕まえました。
 す……スゴイ! と驚愕する相手に対して、昔は3匹いっぺんに捕まえられた、などと、トンデモナイ自慢話 〔本人は全然 そんなつもりはなく、むしろ お落ち目の証拠として凹んでるんですけど〕 を披露します……。
 このあたり もしかしたら、リーなるキャラクターは、幾多の黒澤作品から抽出されたモザイク状の心身描写から織り上げられた、キマイラ的オリジナルなのではないでしょうか? 冒頭で白状したごとく、“勉強不足” のセミマニアなので あくまで憶測に過ぎないのですけれど……。






ガンマン流 恐怖の乗り越え方
     Kayさんへの長すぎるコメント   -



 リーを苦しめる恐怖は、誰しもが持ちうる死への恐怖のみならず、世界チャンピオンが負う 転落への恐怖   自分より強い奴がいつか現われ、打ち負かされてしまうのではないか、という慢性化した心配によって絶えず大きくなっていく 呵責感情なのです。
 チャンピオンという存在は いつでも挑戦の対象ですから、野心のある者たちが そいつを超えようという一心で 日夜、腕を研く 文字通りのターゲット……。言い方を換えれば、絶えず周囲から命を狙われている ということです。神経の細い人間には、とても耐えられる境遇ではありません。
 もしかしたら リーは、自分からすすんでチャンピオンになったわけではないのかもしれませんね。 お坊ちゃま風の外見から推すところ、もっと若かった頃でさえ 血の気の多い男だったとは どうも思えませんから、状況に押されて已む無く決闘をやらなければならない羽目になって、早撃ちのテクニックだけは (!) 抜群だったために 圧勝してしまい、それが瞬く間に伝説化して、本人にとっては ありがたくもない名声ばかりが一人歩きをしていった、みたいな……。
 そうだとすれば、肩書きに相応しい器を持たぬ人間の不幸……ということになってしまいます。
 ……とはいえ、コメントに書きましたように、最後は決死の突撃を敢行して 数人の村人たちを救ったあと、流れ弾に当たって死ぬ、という英雄的なものでしたから、私としては、ああ 本当によかったね、というのが率直な感想なのです。 それに、もう 恐怖に脅かされることは決してありませんからね……。




 場数を踏んでいるからこそ 己の恐怖と臆病を味わい尽くしている リーとは対照的に、「七人」 中の最年少者チコ 〔ホルスト・ブッフホルツ演〕 は、正に怖いもの知らずです。大盛上がりの銃撃戦の真っ最中にテンガロン・ハットを撃ち抜かれたりするほど、大胆というよりも むしろ無謀なんですね。
 それでも彼は最後まで生き延びる……。こそこそと隠れたりはしなかったのに です。 まあ、運・不運というものは見せかけに過ぎませんから、これも彼が秘める潜在意識力の顕れなのでしょう。
 ところで、チコの出自は農民です。必死にそのことを隠そうとしていたことから解るとおり、本人にとって それは “恥” なんですね。農民すなわち臆病者、というセルフイメージがある (あった)……。なので、一端のガンマンになるんだ という彼の夢は、完全に自己否定的なサクセスドリームに他なりません。だからこそ、怖いもの無し なのでしょう。 だって、元もと 失って惜しい自分というものが存在しないんですから……。
 というか、想像的に話を遡らせると、彼の恐怖は、生まれた村を一度も出ることなく 大嫌いな農夫として一生を終えること、だったのです。なので、故郷を捨てるという念願を果たして ただでさえウキウキしているところへ持ってきて、凄腕の助っ人ガンマン集団の一員として闘える・闘っている という状況ですから、もう それは血気盛んなチコを有頂天にして当り前……。絶対に被弾しない という自信さえ授けてくれたのではなかったでしょうか。




 あとひとり、いっけん恐怖とは無縁そうな男、スティーブ・マックィーン演ずるヴィンについて語らなければなりません。


 銃の扱いに不慣れな農民たちに 彼が射撃の手ほどきをしている場面……。ひとりの農夫が、緊張して手が汗でびっしょりだ、と弱音を吐くと、ヴィンは鷹揚な口調で、ズボンで拭いてから やり直すように促します。


 一気に飛んで、クライマックス大銃撃戦に至る、たしか 直前のシーン……。奇襲をかけるために 村の中心家屋に向かって忍び寄っていくヴィンは、ふと 自分のびっしょりであることに気づくんですね。
 これは、脚本と監督の妙だな と感心してしまった心身描写で、いかにもヴィンというタフなキャラらしいと思います。緊張も恐怖も 心理的には完全に制圧してしまっているけれども、肉体レヴェルでは状況に相応の反応をする健全性を保っている、ということですね。


 あれっ、俺 いま 緊張してるのか……?


 という認識 〔たぶん初めての自覚〕 をちらりと浮かべ、あとは何事もなかったかのように奇襲の仕事に戻る……。いやあ、クールでした。




 最後まで お付き合い下さいまして、どうもありがとうございました。




    2009. 02. 25 完結




奇襲攻撃の実例を読みたい方へ ●ターミネーターとレジスタンス 9
スター誕生(前編)





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Minr Kamti / 亀谷 稔

Minr Kamti / 亀谷 稔

1961年生まれ。
武蔵野美大卒。
建築プレゼンテーション・調理・知的障害者たちの陶芸制作活動補助、といった職を経た後に、2006年7月より創作活動に専念している微細画家 。2007年1月、銀座 - あかね画廊にて初個展。
今現在('08年4月)の描法は、かつて伐採予定地などで行なっていた舞踏を応用した自動筆記法である。
   著書 『全一の展開
         末端の必然』

             奥付より

* オフィシャルサイトにて本の内容をご紹介しております。購入のご決断をされる前に ぜひこちらをどうぞ……。

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