『誇大妄想展開領域』 黒のカラーケントに メタリック系ボールペン

誇大妄想展開領域

Wild Fancies, but………

Funny and Intellectual

スポンサーサイト

原画販売
オンラインサービス






上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
. FC2ブログランキングへ 人 気 ブ ロ グ ラ ン キ ン グ へ

クリック お・ね・が・い    こび 媚 こび いたします。





 俺なら こう終わらせるぞ  マトリックス Revo.

原画販売
オンラインサービス








前略。SASURAI 様。


 大ヒットした マトリックス - シリーズの完結編が封切られたのは、もう5年半も前のことになります。
 たしか1999年に公開されたシリーズ第1部は、極めて斬新なその世界観と、悲惨なまでに暗澹たる人類未来像において突出しており、新しもの好きの刺激中毒者たちばかりでなく、数多 知識人たちの関心を惹きつけまくったようですね。


 もっとも 私の場合、第1作はリアルタイムで観ていないのです。以前も話しましたが、森林保護運動の最前線に身を置いていた 当時、事実上 休日というものが存在せず、ほとんど映画館へは行かれませんでした。もしも予告編なりチラシなりで詳細情報をつかんでいたなら、きっと無理をしてでも足を運んだでしょうが、たまたま見かけたポスターから想像されたこの映画と言えば……単なるスタイリッシュなギャング映画に過ぎなかったですからね。


 左様なわけで、私が最初に観たのは第2作目の 『Reloaded』 であり、それに先立って、第1作の絵コンテ付きシナリオ 〔ウォシャウスキー兄弟が映画会社に売り込むために拵えたもの〕 を繙いておいたのでした。
 半年ほどの間を置いて立て続けに封切られた第2作目 ・3作目は、公開前からかなりの話題を読んでいたと記憶しています。私自身も、平日に有休を取ってワクワクしながら劇場に赴きました……。




 鳴物入りで世に出た完結編……でしたが、それがけっきょく期待はずれであったことは、衆目の一致するところです……娯楽的にも、思想的にも……。
 私自身は、と言えば、まあ、数年来の注目者ではありませんでしたから、さほど失望せずに済んだかわりに、初見では解らない深い意味が隠されているのではないか、とばかり合計3回みにいきました。それでも、やはり、あの作品はあれだけの意味……人間 vs 機械の戦争が一時的に休戦を迎えた、というだけのことだったようです……。よくよく考えなくても、はっきり言って、お粗末なものでしたね。




 そんな曰く付きの映画のエンディングに関する、まるで他人が提供してくれているかのごとき しごく克明なヴィジョンが、ひと連なりの物語として突ぜん頭に浮かんできたのは 〔あたかも映像を伴った本を読んでいるかのようでした〕、最後に観てから数ヶ月たった頃、つまり今から5年ほど前のことだったでしょうか……。それをこれからご披露したいと思います。


 なんで また、今頃になって……としんでおられることでしょう。
 それはただ、このような妄想を面白がってくれそうな人にこれまで一度も出会わなかったから……なのです。
 どうか呆れずに 最後までお付き合い戴けましたら、幸いです。






俺なら こう終わらせるぞ マトリックス レボリューションズ



 第1作の 『マトリックス』 および2作目の 『マトリックス リローデッド』 には全く手をつけません。いま “完成させ” ようとしている完結編の前 4/5   墜落事故によってトリニティーを喪った後、マシーン シティーの内部を独り彷徨っていたネオが、神のごとき巨大な顔として遂に顕現したマシーン コンプレックスの 《使者》 と渡り合う場面まで   もまた同様……。私に訪れたヴィジョン=妄想は、正にここから始まるのです。


 実際 映画で描かれていた 《使者》 とネオとのやり取りについて、その詳細までは思い出せませんが、大まかに言えば、エージェント スミスが全マトリックスを己のものにしたという現状を確認し合い、ネオがその修復 〔スミス退治〕 を買って出る、という展開でしたね。その際 ネオは、“最後の砦” ザイオンへの攻撃を止めることを交換条件に挙げました。私 (の潜在意識) にしてみれば、正にこの点こそが不自然でならなかったのです。


 前作 『リローデッド』 の終盤で、マトリックスの設計 ・管理プログラムであるアーキテクチャーに、全人類をとるか 女をとるか、という選択を迫られたネオは、さして躊躇することもなく後者、すなわちトリニティーを選びました……。そんな ジコチューの彼が ですよ、あんなに簡単に恋人の死を受け入れ、まったく模範的な救世主として自己犠牲的に振る舞えるだなんて、そんなきれい事は嘘っぱちだ、と、私の中の 《人間》 が叫んだのでした。


 では、どう展開させたらよかったのか、つまり、どういう行動をネオに担わせたら人間表現として リアルだったか………


 傷心の、茫然自失たるネオは、救世主であることを運命によって強いられた自らの現状を改めて思い知らされ 〔その使命ゆえに危険な旅に出て、結果 トリニティーを喪うことになったのに……〕、なかば自暴自棄にも似た心境に陥るのが極ごく自然な成行きでしょう。もっとも、自暴自棄と言っても凡人が囚われるような文字通りの意味ではなく、英雄としての半身をないがしろにしてらない、一種 身勝手な大胆行為に走る、という意味においてですが……。
 この場合の大胆行為とは、執着を単なる執着では決して終わらせない、偏執的なまでに強固な意志の発露のこと……。その意志をもってして彼は、現実的には既に絶命しているトリニティーを、マシーン コンプレックス総体が保有する超ハイ テクノロジーを駆使して生き返らせようとする……つまり、スミス退治の報酬としてそうするように要求するのです。


 人間よりも遙かに几帳面な機械であるが故に、マシーン コンプレックスはマトリックスに繋がれている全ての人間の脳を 〔のみならず全身の全細胞 ・全分子構造に至るまでを〕 マッピングし 記録しているはずです。むろんマトリックスを離脱した反乱者たちについても、その時点までの全データは消去せずに保管してあるでしょう。反乱者すなわち敵に関する詳細 ・完璧な情報なのですから、当然そうであるに違いありません。
 更には、反乱軍は随時 マトリックスに潜入していました。そしてその際、自らを敢えてプラグインさせて一定時間その状態を保つ……ということは、マトリックスの一部と化すわけです。だから、その克明な記録も残されている公算が高い……。だとすると、反乱者たち個々人のマッピング データは、彼らが潜入するたびに更新されていたはずなのです。
 トリニティーが最後にリンクした 〔ダイヴすることをこんなふうに云ってましたっけ……あのシリーズでは……?〕 のは、(プラグインしてもいないのに) マトリックスに飛んで 行方不明となったネオを救出にいった時だったと記憶していますが、とにかく、その時点までの彼女であれば、その記憶をも含め 全て保存してあるから再現が可能だろう、というわけです。


 再現=再生……


 ただ単に、マトリックス内で仮想現実的に、ということではありません。半ば自暴自棄になっているとはいえ、さすがにネオも救世主候補としての自覚からそんな退行を己に許すことは出来ないでしょう。彼の望みは ある意味もっと偏執的……。なんと この英雄は、現在の彼にとっての主観的現実世界……SASURAI さんのっている 「もう一つのマトリックス」ですね……まあ、ハイアー マトリックスとでも表現できるかもしれない その括弧つきの現実世界において、物理的物質的に恋人を再生させるという大望を抱いてしまうのです。


 マシーン コンプレックスが果たして高度なバイオテクノロジーを保有しているかどうか、という問題はあります。第1作でモーフィアスが語った伝説によれば、およそ100年前のことだとされている人間対機械の最終戦争において、機械軍は捕虜を実験材料に徹底的な人体調査を行なっており 〔第1作と第2作を繋ぐオムニバス作品、『アニマトリックス』中 『THE SECOND RENAISSANCE』 参照〕、その膨大なデータが存在することは確かです。とはいえ、機械には機械なりの美意識や興味があるでしょうし、頑丈 ・鈍感であることを長所とする自分たちの身体と比較して、ヒトを含めた生物、とくに動物の肉体というものが、おそらく彼らにはとても信じがたいほど あまりにも脆弱に感じられるであろうことを想像するならば、バイオテクノロジーを実用的分野 〔生体電流の搾取による “食糧” 確保など〕 を越えた範囲で更に発達させ、人間一人を丸まる再生できるほど高度な技術にまで仕上げているなどということは、どうも あまりありそうに思えません。
 そこで、より現実的な設定として、その内部は全て機械で構成された、表層だけが細胞組織によって覆われている……そう、かの有名なターミネーターのごときアンドロイドにトリニティーの全感情 ・全思考 ・全行動パターンおよび全記憶をインプットした、外見も内面もオリジナルと寸分違わぬ擬似生命体を作ることにしましょう。つまり、これがマシーン コンプレックスの差し出す代償であり、ネオにとっては仕事の報酬となるのです。


 殺そうと思えば虫を潰すほど簡単に殺せる一匹の人間を相手に、圧倒的優位に立つマシーンがこんな取引に応じることを潔しとするでしょうか? さっさとスミスを殺してこい、さもなくば今おまえを殺すぞ……そんなふうに脅すのが筋なのではないでしょうか……?
 そう……当然そのシチュエーションにネオは追い込まれることになるはずです。……とはいえ、そこは自暴自棄になった者の強み……自分の命など、そしてまた 課せられた使命でさえ、本当のところ、どうなってもいい……


「殺すがいい。だが、おまえには決してスミスを止められないぞ」


 こう豪語する英雄……。敵役はけっきょく取引に応じることになるでしょう。そうでなければ話が続かないからではなく、たとえ取引に応じたとしてもマシーン コンプレックスに失うものは何もないからです。ネオが勝てばめっけ物……その勝敗をただの興味本位で高見の見物……。
 というわけで、舞台は実際の映画どうよう土砂降りのマトリックス内へと移り、オリジナル スミス vs オンリー ネオの一騎討ち……と展開していきます。




 勝負の行く末には変更なし。仮想物理的にネオは敗れ、スミスに転換させられてしまう……。
 次に起こることも同様。光と影が、陰と陽が、プラスとマイナスが相殺された結果、両者ともに無に帰する……。
 その次もまた……。私たちが夢の中で死んでも絶命しないのとは異なり、マトリックス中での死はそのまま真の肉体的死を意味する、という映画の設定*どおり、ハイアー マトリックスたる現実世界にはネオの遺体が残される、というところまでは一緒……。


* これは説得力があるのでそのまま採用……。大抵の場合、夢の中では “本当に死ぬ” 直前に目が覚めるか、自分が死ぬところを ・あるいは自分の遺体を観ている自分が未だ “生きている” わけですから、固く プラグインされ ・オペレーターのバックアップを必要とする、劇中のリンクとはまるで条件が異なります。




 ウォシャウスキー兄弟の映画と私の妄想は、ここでまた分岐します……。


 機械であるが故に律儀なマシーン コンプレックスは、いまは亡きネオとの約束どおり トリニティーを再生させ 〔つまりは生産す〕 るでしょう。初起動したマシーン トリニティーはオリジナルと全く同じ記憶を持っており、全く同じ心を与えられています。そんな彼女の前に、なんと、恋人 ネオの変わり果てた姿がある………。


 主観的にも客観的にも、これは悲劇以外の何ものでもないでしょう。本人にしてみれば眠りから不意に目覚めた途端、実際上は彼女が初めてハイアー マトリックスに生まれた途端、いきなり突き付けられる過酷な現実、なのですから……
 マシーン トリニティーの記憶がどこまでのものか……逆に言えば、彼女にとっての喪失記憶がどれだけの長さで如何なる内容か、という無視できぬ問題がありますが、ここは第2作でも描かれていたりというモチーフを強調して、オリジナル トリニティーが死ぬところまで、ということにしておきましょう。最後の決戦の最中にネオからその記憶を回収したマシーン コンプレックスは、そこからトリニティーに関するものだけを抽出した上で主観的なコードに変換し、マシーン トリニティーに植え付けておいたのです。


 傷心の彼女の前に 《使者》 登場。 彼女が “眠って” いる間に起こった出来事について語り聞かせます。経緯の全てを知ったマシーン トリニティーは、きっと こう要求するでしょう   -


「おねがい、ネオを生き返らせて……。で なかったら、私を殺して……」


 この要求はマシーン コンプレックスにとって痛いものです。なぜならば、いま自分に向かって話しているのは、敵対者たる人間ではなく他ならぬ同胞であり、更にまた、自ら創造した最新の子供なのですから……。
 ……で、マシーン ネオの創造=再生、恋人たちの再会……という展開になるわけです。


 ですが、これにてハッピー エンディング……というわけには当然なりません。まだ戦争に決着が付いていないのです。
 マシーン ネオもオリジナルと瓜二つですから、救世主としての自覚と使命感をその “胸” に抱いていることでしょう。悲願が叶ったのですから心置きなく、それどころか気持ちを “新たにして” 使命の達成に努めるはずです。しかも隣には強力なパートナーがいます……。




 ここで不意に、私自身のハイアー マトリックスに戻って冷静に考えてみると、べつに意識して そう思い描いたわけではないのに、こと この場面に至っては、ウォシャウスキー兄弟が嵌り込んでいた “人間/機械” の二元的構造が、もはや成り立たなくなってしまうのです。
 ネオも機械、トリニティーも機械……であるにも拘わらず、二人はその心理上、本当の人間と寸分違わない……。
 かたや 対する 《使者》 は、マシーン コンプレックスの分身であると同時に、二人にとって実の親でもある……。
 だとしたら、ここで行なわれる話合い……つまり会談は、人間と機械 双方の代表者による戦時政治会談というよりも、むしろ 既に籍を結んだ武家どうしの権益お取決め会議に近いでしょう。要するに、から休戦協定が成立済み、ということで、その壇上にいる “新郎新婦” は、言はば両家の取り持ち役なのです。


 これで物語の収拾が付いたようです。ザイオンを攻撃していた機械たち 〔なんと言いましたっけ、あの ダイオウ イカ みたいなやつ……?〕 は群舞を舞い、戦争終結を悟った人々の歓声の中、やがて地殻 上層へと去っていく……。


 更新されたマトリックス世界に朝日が昇る後日談……絶対に必要であるとは思いませんが、蛇足というわけでもないので、まあ、映画どおりで構いません。
 ただし………


 ザイオンへの帰路につく二人の姿……その船中の奥の暗い物陰に、マシーン スミスの姿がある………。


♪ ASATOOMAAA SAANATOOOMAAAYA………… ♪
〔エンドロール〕



 最後までお付き合い下さいまして、ありがとうございました。




Minr Kamti
http://mousoutaha2.blog105.fc2.com/


    2009. 4. 2 続




. FC2ブログランキングへ 人 気 ブ ロ グ ラ ン キ ン グ へ

クリック お・ね・が・い    こび 媚 こび いたします。





 | HOME | 

   

人 気 ブ ロ グ ラ ン キ ン グ へ

応援クリックお願いします。

OFFICIAL サイトへ

過去記事更新記録へ

Appendix

Minr Kamti / 亀谷 稔

Minr Kamti / 亀谷 稔

1961年生まれ。
武蔵野美大卒。
建築プレゼンテーション・調理・知的障害者たちの陶芸制作活動補助、といった職を経た後に、2006年7月より創作活動に専念している微細画家 。2007年1月、銀座 - あかね画廊にて初個展。
今現在('08年4月)の描法は、かつて伐採予定地などで行なっていた舞踏を応用した自動筆記法である。
   著書 『全一の展開
         末端の必然』

             奥付より

* オフィシャルサイトにて本の内容をご紹介しております。購入のご決断をされる前に ぜひこちらをどうぞ……。

Calendar

« | 2017-09 | »
S M T W T F S
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

Categories

Recent Entries

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。