『誇大妄想展開領域』 黒のカラーケントに メタリック系ボールペン

誇大妄想展開領域

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ターミネーターとレジスタンス 7

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まず T-R 1T-R 2T-R 3T-R 4T-R 5T-R 6を読む





終わらせる者抗う者 7
     ブレアの祈り   -



<10. Aug. 2026>  この新計画はなんとしても、いかなる犠牲を払ってでも阻止しなければならない……
 それは自明のことだ。誰にも異存はあるまい。しかし……
 ミッションを決行するにあたって、ぜひとも議論しておくべき問題が3つあった。


 1つめは、連行されてきた動物たちをどうするか、という問題……。
 かつてのネヴァダ州中北部はバトル・マウンテンに設けられている中間処理施設には、少なく見積もっても数百頭の多種動物たちが捕らえられているはずだが、“尊い” 人命を危険に晒すことになっても かれらを救出するのか……それとも見捨てるのか……?
 2つめは、攻撃するタイミングの問題……。
 極りょく 隠密に事前工作を進めるとしても、王手をかけてからの十数分間は、敵方に知られずに済まされるはずがない。……ならば、こちらのダメージを最小限に抑えるためにも天候を隠蔽手段として利用すべきではないのか……?
 3つめは   これが ある意味 もっとも複雑な問題なのだが   一都市を形成しているような巨大施設を、一体 いかなる手段で壊滅させるか、ということ……。


 これらの問題は 実のところ、同じレヴェルで語ることのできるものではない。解決するために “動員” すべき人間意識の階層が、それぞれ 全く異なっているのだ。純粋に技術的な視点に立ったとしても、やはり そうなのである。
 そこで、おのおの課題を個別に受け持つ 3つのチームが早急に結成され、同時に議論が進められることになった。




 本当は……こんな時刻に貴重な仮眠時間を犠牲にしてまで、こそこそ喋っているべきでは   しかも あろうことか機械を相手に   ないのかもしれない……。
 だが、そうせずにはいられない。なぜか は解らぬけれども……。


 仲間内では歴戦・不死身の古参兵で通っている俺だから、まさか こんな酔狂なことを習慣にしているとは、おそらく誰も考えはしまい。
 たぶん……それ故に語りたいのだ。誰かに面と向かって話すのではなくても……そう、俺はそれが大の苦手なのだ……今更 その性向を変えるだなんて、とてもとても面倒だから………こうやって言葉を残しておきさえすれば、いつか誰かが耳を傾けてくれるかもしれないではないか……。


 その相手は誰でもいい……ただ 人間であるのならば……。


 今では俺自身の内部に生きている幾多の存在たちだけでは、どうやら充分でないらしい。かれらは確かに他者ではあるが、一方で俺自身でもあるからなのだ。
 どんなに広大な内面世界があっても、ヒトという生き物は やはり誰かリアルな同胞に語りかけずにはいられない……。




 それ故の人間存在なのだろう。


 日本語では “Human” を、「人の間」 と書く……。






<10. Aug. 01:26AM>  最終機動の開始まで、残すところ 1時間と20分足らず……。
 いくらなんでも、そろそろ寝なければならない。指令基地 総員の4/5が参加する このミッションにあって、完徹など当然のこと 論外だ。寝ぼけた意識で戦場に臨もうものなら、仲間の命にも係わり兼ねない。


 先を急ごう   -


 結果は誰でも知っていることだ。




 動物たちの救助が 人命を賭けるに価することか 否か……?


 俺はこの議題を扱ったチームに属していたわけではないから、後から人に聞いた話である。


 さすがのジョン・コナーも迷っていたらしい。
 それは当然のことだろう   彼は同胞たち全員の生命を守る立場にあるのだから……。
 決着をつけたのは、ケイトの一言だった   -


    動物たちの命だって 生命重さに変りはないでしょ? やらなきゃ いけないのよ、絶対に……。


 《戦前》 は優しき獣医だったという この強かな女性……すでに多くの伝説を残しているミセス・コナーに反論できる者など一人もいない。




 もと気功治療師だった俺は第2チームに属していたので、攻撃時機の算定については直せつ語ることができる。だが、時間がない……丸々2日をかけた議論内容は全て端折って、結論だけを言うと……


 微分潮汐力と当緯度コリオリ間の干渉関係上、シリコン・ヴァレーにおけるランダム気流の風速がここ3週間で最大になる本日 10日は日出の瞬間 〔04:55〕、全33小・中隊が いっせいにアタックをかける!


 それ自体がミッション並の真剣さと体力を要した2日の間で、最も俺の心に響いた発言だけは記録しておかなければならないだろう。なんせ この議論に参加したのは、東西両文明がそれぞれ手に入れた自然および超自然法則に関するスペシャリストたち、たった6名に過ぎないのだから……。
 それは、美しき女戦士にして凄腕のパイロット、ブレア・ウィリアムスが、熱意を秘めつつ口の端に上せた 僅か5分の “演説” である。
 その手の席では俺に次いで口数の少ないブレアが、珍しくも おもむろに右手を挙げ、やがて話しだしたのだ……。


    わたしたちの部族*は太古の昔から ずっと今まで、全ての命ある存在たちを人間と全く同等に扱ってきたわ………。だって そうじゃない……同じ この惑星に生まれた兄弟なんだもの……? そして わたしたちは……このことをみんなにも理解して欲しいんだけど   大地そのものにも生命があるんだということを、これも大昔から識っていたの……。あの聖なる谷……って もちろんシリコン・ヴァレーのことなんだけど、あそこに 《戦前》、あれほど沢山のIT企業が集結してた訳は、地の利 だとか、地価などといったことでは全然なくて、あの土地自体が他の場所にある聖なる山々と、わたしたちには決してくことのできない言葉を使って、会話をする存在だったからなのよ。……そう、たとえ文明人であっても、個人の寿命を超えた企業という存在の集合意識をもってすれば、昔からこの土地に暮らしてきた わたしたち同様、《その息吹》 を知覚することができるんだわ。………だから、どうか解ってほしいの   たとえ今は敵方の施設として使用され・わたしたち全員にとっての脅威となっていようとも、あの土地そのものを破壊するようなことは、絶対にやってはいけないんだ、っていうことを……。どうか、このわたしの命に賭けて……お願い………。


 最後の1分半、想い あふれた彼女の目からは涙が流れ落ちていた……。


 静かに、まるで独り言をつぶやくように発せられたその “熱演” が、戦略会議という場では普通あじわえない 感動的な余韻をもって遂に終えられたとき、残りの5人……攻撃方法の詳細に関する発言権をも与えられている俺たち5人の心も、決まっていた……。




 もう一つの議題は、当然のことながら 揉めに揉めた。われら第2チームは 通常の倍効率で報告書を纏め上げると、6者一丸となって第3会議に “参戦” したのである。
 仲間割れにさえなりかねなかった紛糾の模様は飛ばしてしまおう……。けっきょく俺たちは、これもケイトの助太刀を得られて、皆を説得することに成功した……。


 戦術核兵器の使用まで検討されたその激論の席を、最後に仕切ったのは もちろんジョン・コナーその人であった。彼は8年前の熱弁 *髣髴させる (残念ながら俺は直せつ聴いていない) 口調で こう諭しかけたのだ   -


 もしも 同胞が心底から訴えているその言葉を踏みにじるのであれば、そのとき我々は人間であることをやめてしまう、ということを意味するのではないのか……?


 この言葉には、弾が尽きても棍棒として充分 T-800と渡り合えそうなグリズリー50の、なぜかそこだけ優美なカーヴを描いている用心鉄に ずっと義手の指先を引っ掛けていた、基地内最大のタカ派であるバーンズをさえ沈黙させるだけの力があった。


 攻撃対象は シリコン・ヴァレー製造工場コンプレックスそのものではなく、他種生物型ターミネーター生産区域のみのピンポイントとすることに決定……。
 その一方で、東から飛来してくるはずのトランスポートを襲い、その機械自我意識を停止させて・離脱……敵地から遠く離れた場所で 内部に収容されている動物たちを解放する   という二重ミッションを打つことになったわけなのだ。




* 原 注 当時 〔2018年5月〕 の抵抗軍を率いていた総司令部の意向に逆らってまでも、敵 中枢部への総攻撃よりも捕虜の救出を優先させるよう、一般兵士たちに直せつ呼びかけた無線放送のこと。 戻る




 そして、その第2方面を受け持つのが、なんと 俺自身とカイル・リース、それから今回が正式ミッションへの初陣となる 未だ17歳のスター……その たった3人だけなのだ。
 この人選は 以前からジョンの脳裏で温められていた 「虎の子」 の構想だという。


 あまりにも重大かつ大胆な任務の仰せ付けに さすが内面の緊張を隠しきれなかった二人の “若武者” に対して、彼は優しく、だが決然と言い放ったものだ   -


 少数精鋭だからこそ勝算がある……。スカイネットを叩くには その意表を突かなければ駄目だ。 あの賢い機械だって、いくらなんでも、まさか たったの3人で巨大なトランスポートを乗っ取りに来るだろうなんてこと、思い付けやしないだろ?




 さあ、もう好い加げん 眠らなければなるまい。


 今日という日は 生涯で最も長い一日となることだろう………。




    2009. 8. 14 続




続けて T-R 7.7を読む



SF映画好きの方へ 俺なら こう終わらせるぞ マトリックス Revo.
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執拗なシリーズ 第3弾 予告編
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Minr Kamti / 亀谷 稔

Minr Kamti / 亀谷 稔

1961年生まれ。
武蔵野美大卒。
建築プレゼンテーション・調理・知的障害者たちの陶芸制作活動補助、といった職を経た後に、2006年7月より創作活動に専念している微細画家 。2007年1月、銀座 - あかね画廊にて初個展。
今現在('08年4月)の描法は、かつて伐採予定地などで行なっていた舞踏を応用した自動筆記法である。
   著書 『全一の展開
         末端の必然』

             奥付より

* オフィシャルサイトにて本の内容をご紹介しております。購入のご決断をされる前に ぜひこちらをどうぞ……。

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