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ターミネーターとレジスタンス 7.7

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まず T-R 1T-R 2T-R 3T-R 4T-R 5T-R 6T-R 7を読む







終わらせる者抗う者 7.7
     スターまでの道のり   -



混沌とした “歴史” 〔前回までは……〕   

 起動した直後に自我意識に目覚め、人類を脅威の対象と見なして 全世界に核攻撃を仕掛けた軍事用コンピュータ・ネットワーク・システム “スカイネット”……。
 一瞬にして30億人が死滅した その史上最悪の一日を、生き残った人々は “審判の日” と呼んだ………。


 何ヶ月もの間、来る日も来る日も “死の灰” が降り続けた。
 地球上には どこでも、そして いつでも死が蔓延していた。
 時間が、気が滅入るほど ゆっくりと、まるで責め苛むように流れ去っていった。




 10年が過ぎた。
 人類は未だ根絶やしにされてはおらず、自分たちを滅ぼそうと執拗に攻撃を仕掛けてくる機械軍との、いつ終わるとも知れぬ戦争に明け暮れていた。
 地上には もはや中世並の国家機能すら存在してはいなかったが、世界各地で興った自警団的 小グループ群を抵抗軍にまで纏め上げた組織が、既に果敢な活動を始めていた。
 各地の前哨基地や戦術拠点ではさかんに無線放送を行なって、荒廃した土地や集落、あるいは巨大な廃墟と化した都市などに隠れ潜んでいる人たちに呼びかけ、抵抗軍への合流・参加を訴え続けていたが、圧倒的な戦力を有する機械軍には逆らわないほうがいい、と考える人々も多かった。かれらは極りょく 目立つ行動を控え、まるで怯えた小動物のような、惨めで幸少なき日々を送っていた。
 悪夢のように過酷な現実世界に心底から打ちのめされ、多くの弱者たちが 自殺に走るか、発狂しては やがて死んでいった。


 まるで “野生時代”の再来だった。
 大型の捕食動物に対する警戒心で 絶えず意識を張り詰めさせつつ、家族を中心とした小さな群れをつくることによって、個体としては脆弱な自分たち自身を互いに庇い合いながら、それでも強かに生きていた100万年前同様の生活に、辛うじて適応することのできた人たちだけが なんとか暮らしていけるような世界だった。
 かれらに定住生活はあり得なかった。そもそも そこには、安住できる故国など どこにも存在しなかったのである。


 故国祖国といわれるものが存在しない世界……それは、逆説的にも、国境の消滅に他ならなかった。もはや国籍や民族や人種の違いなど意味をなさない。この世から ことごとく滅び去るよう圧迫を受けている、ヒトという同じ種族の一員として平等なのであった。
 かつて 人間の文明が栄えていた頃、時空を超えた幾多の心ある人々がそう望み、だがしかし 決して実現することのできなかった “夢” が、共通の大敵を得て 初めて叶ったのである。


『B l a i r  W i l l i a m s  i n  2 0 1 8』 『B l a i r  W i l l i a m s  i n  2 0 1 8』  いま人類は一丸となって闘っていた。
 己の命を賭けてまで助け合う犠牲行為に、血縁も地縁も要らなかった。人々は、つい数時間前に戦場で知り合い、互いに協力して “地獄” を生き延びた相手の死にすらも、まるで肉親を喪ったかのように涙するのが常だった。
 しかし闘いは熾烈だった。情け容赦のない機械軍は、ただ闇雲に人を狩るだけではなく、手を変え 品を変え、意表を突くような戦術を次々に打ち出してくるのだった。


 スカイネットが仕掛けた巧妙な罠に嵌って 総司令部が壊滅した後、失意の残存部隊を纏め上げ、以前にも増して強力な抵抗軍として甦らせたのが、当時 一前哨基地を任されていたジョン・コナーだった。
 まもなく 人類の救世主と目されるようになる この偉大なる人物は、鋼鉄の意志とカリスマ性、高度なハイテク知識と抜群の戦闘能力を……つまり、完璧な軍人としての資質を全て持っていながら、慈しみや思いやり、同朋意識などといった、あらゆる良識人が理想とするような感情にも恵まれている、類い稀なる人格者であった。
 彼こそ正に、“地獄でみんながついていく男” だった……。


 “審判の日” は二度と訪れなかった。戦略核兵器による火炎地獄の脅威は次第しだいに風化して、人々の記憶にのみ残る歴史となった。そもそも 21歳未満の若年世代にとっては、人類文明の栄華 だとか、その破局的壊滅 などといったものは神話に等しかったのだ。年長者にとっても もはやそうである。いつしか その災厄の日は、固有名詞《審判の日》 と呼ばれるようになった………。






『S t a r, t h e  G o o d  B l o o d  i n  2 0 2 6』  さらに8年の歳月が流れた。人類 対 機械の戦争には未だ決着がついていなかった。
 18年以下の人口は、既に全人類の1/3に達しようとしていた。過酷な “野蛮生活” からの半永続的圧迫によって、平均寿命が かつての奴隷民族並のレヴェルまで低下したからである。この事態を言い換えるならば、戦時社会しか知らない人々が大半を占めるようになるまで あと10年とかからない、ということなのだ。
 しかも その 「戦時社会」 とは、人類史上 他に類例がないであろう、銃後の存在しない社会……つまり全人民が最前線に立たされているという、とんでもない社会なのである。


 人類総体の……というよりは複数有力民族の時系列的集団相互行動が 「歴史」 の名の下にきちんと分類・整理して記録され、何らかの物質的媒体に保管・蓄積されていた時代、「30年戦争」 だとか 「100年戦争」 などといった史実が存在したことは確かだが、それらはいずれも、それぞれの時代における国際法上 正式と見なされていた、開戦から終戦までの期間をあくまでも指しているのであって、同じ年月、たえず血なまぐさい戦闘行為が持続していたわけではない。
 ところが 当代における18年間は と言えば、紛れもなく丸々18年間の休みなき戦争状態であるのみならず、正式にも非公式にも 未だかつて一度たりと、最後通牒も休戦交渉も行なわれたことのない、一方の “当事者” たる人類サイドにしてみれば、完全に滅ぼされるか、抗って相手を圧し返すか、という二者択一しか許されていない、きわめてアンフェアーな闘いなのであった。


 長かったのか短かったのか もはや誰にも確言することのできない その歳月が、未だ地球上に生き長らえている全ての人間の意識および潜在意識に、もはや絶対に取り返しのつかない影響を与えていないはずはない   -
 まず、あらゆる地域の あらゆる世代の人々は、今では決して深く眠らなくなった。長い人でも精ぜい5時間ほど、只うつらうつらとするだけの 居眠りのごとき睡眠を、重病人や高齢者でない限りは交代でとるのみ……。しかも その極めて浅い眠りは 当然のことながら悪夢に満ちており、うなされたり、叫んで飛び起きたり、などといったことは日常茶飯事なのだった。
 それから 人間は、人種と民族の如何を問わず、皆がみな一様に小食になった。それは何も、食料の調達が難しくなったから、という理由だけではなく、満腹状態では不意打ちを食らった場合 逃げ切れないから、という 極めてシヴィアな現実問題ゆえなのだ。
 更には、《審判の日》 以後の全期間を通じて、あらゆる大陸のあらゆる気候区分帯に散在する地縁集団は、規模の大小に関係なく、(むろん正確と統計などとれるはずもなかったが……) 押しなべて少子化傾向にあるようだった。服装といい 栄養状態といい、その生活水準を 《戦前》 のそれと比較してみるまでもなく、全人類は明らかに貧困であるに違いなかったが、「貧乏人の子沢山」 という て全世界で通用した ことわざは、もはや時代遅れも甚だしいものになっていた。……その理由もまた単純である   絶えず追われている側にとって、性行為採餌行動以上に隙のできる、非常に危険な活動だから   なのである。


 機械軍との戦争状態……
 たしかに、抵抗軍に属するだけの “元気” がある人々にとっては適切な表現であろう。だが か弱き民間人にとっては……。
 正にその点こそが決定的な問題なのだ。そもそも 完全に戦闘から自由であるという意味での民間人など存在し得なかったのだから……。この時代の地球上には、戦場ではない場所など どこにもありはしなかったのだから……。


 自らの意志を持って抵抗することをしない、あるいは そうできない人たちにとって、それは明らかに戦争ではなかった……
 むしろ 「生存競争」 だったのである。
 核爆弾の脅威に代る 殺戮マシーン軍団による人間狩りの恐怖は、生命の発祥以来、あらゆる種族のあらゆる個体が否応なしに体験してきた、野生生物の心理的常態に他ならなかった……。




 “脅威” の対象たる人類をほぼ半減させた後、スカイネットは、残存人類の掃討をより念入りに進めていくために、様々なタイプの自律的機械を産出しては 自らの敵を襲わせていったのだ。“目覚めた” 瞬間から既にその手中に収めていた膨大な量の戦史資料を通じて、過去の人間たちが通常おこなっていたとおりの戦略を採ったわけである。形態もサイズも異なるそれらの “兵士” たちは、総じて終わらせる者と呼ばれた。
 戦争初期の “狩人” たちは、軽戦車やV-Tole掃討機などの機能を体現した大型ロボットが主流だったが、入り組んだ廃墟内や複雑・多様な自然環境においては “周到・狡猾” な人間たちを追い詰めることが如何に難しいかということをやがてスカイネットは悟った。
 そこで登場したのが、直立二足歩行をおこなう人型ターミネーター、T-600であった。  体長2.4メートルもある “鉄の巨人” は、隠れ潜む人々を狩り出しては、徹底的に追い詰め、確実にその息の根を止めるようプログラムされており、己の “任務” を完遂するまでは決して自ら止まることのない、極めて性質の悪い追撃者であった。こいつらは 生命体の脆弱さをよいことにして、人を建物ごと吹き飛ばすことも多々あった。


 それでも人類を壊滅させることは不可能だった。そもそも、パワーに任せて手当たり次第に破壊することしか能のない T-600型は、自重がむ分 スピードに欠けていた。しばらくすると、当初の圧倒感と恐怖心を克服した人間たちの敵では もはやなくなってしまった。
 当然のことである   ヒトは何百万年もの間 追われる動物として生き抜いてきたのだから……。
 殺されていくのは弱者ばかり……運・不運などといったものは存在しない。それらもまた 各個体の潜在意識が感応し・引き寄せるだからだ。
 したがって、時が経てば経つほど 残存人類は逞しくなっていく……いわゆる自然淘汰の法則である。


 敵と対等に渡り合うには自らも同じ速度、あるいはそれ以上のスピードで 進化しなければならない。それが自然界における鉄則なのだ。
 スカイネットも自我意識を持った存在、すなわち擬似生物であったから、失敗から学び、試行錯誤を重ね、機械軍総体としての己を変容させることにやぶさかではなかった。


 2基のホバリングエンジンを搭載しているハンター・キラーを別にすれば、陸上戦力として最高のスピードを与えられた、言わば “傑作種” が、バイク型のモトターミネーターである。これら “キラー・レーサー” の優秀性は、その抜群の動体視力四次元座標直覚力にある。痛みを 記録するだけで知覚はしない機械であってみれば、当然のこと 怖いもの知らずであるという点も、無敵のバイカーとしての機能性向上に与っているのだ。  このレーザー攻撃型のロボットが、かつて洗練をデザイン・モットーとしていたイタリアのドゥカティ1100をベースにして生み出されたというのは、必然であったろう。超スピードの追究とは、軽さと耐久性の葛藤を意味するのだから……。


 だが、最も恐ろしい敵は開戦後10年目にその姿を現わした。超硬質のエンド・スケルトンを 生きた細胞組織で覆った最新直立二足歩行型の T-800である。
 この機種の最大特徴は、(もともと抵抗軍基地への侵入を目的として作られたが故に) 見た目が人間と変わらないという点だ。ばかでかい旧式とは違って動きも すばやい。だが 執拗さだけは以前の機種を踏襲しており、上半身だけになっても標的にロック・オンしたまま這いずり寄ってくる……。一前哨基地の長に過ぎなかった頃から、ジョン・コナーによって その出現が予言されていた、人類にとって最大の脅威となるターミネーターである。


 しかし 人類の強かさは更にその上を行っていた。ものの数年もしないうちに、抵抗軍のみならず “民間” の自警団や個人でさえ、この殺し屋を仕留める方法を十数通りは手に入れていたのだ。白兵戦になれば 無論そう簡単に適う相手ではなかったが、大抵の戦闘員が重武装していることを承知しているT-800は、人間を襲う前に必ず自ら武器を調達するのだった。
 見た目が人間だからといって、この機種が既に “出回っている” ことが前提の世界では、もう人目を欺くことなど決してできはしない。身体的にも精神的にも いっさいの痛みを覚えることのない、要するに “血も涙もない” 非生物には 決定的に欠けているもの……


 それは、感情移入能力である。


 ところが………。




 《審判の日》 から18年が経過した西暦2026年の夏、めずらしくも数ヶ月もの間、大規模な攻撃を控えているように見えた機械軍の動向が、一部地域においてのみ活発であることを突き止めた抵抗軍は、謎に包まれたその意図を探るため、何組もの斥候隊を敵陣深く潜ませて その監視にあたっていた。
 しかし、送信電波を傍受されることを防ぐため、およそ250年前までの最速通信手段だった伝書バトを使って 随時おくられてくる断片的な情報からだけでは、未だ敵の計画の全貌が掴みきれずにいた……。


 “ミッシング・リンク” は思わぬ方面からやってきた。当該作戦とは別の目的で北西部へ出向いていた斥候小隊が、機械軍による大規模な野生動物狩りを目撃したのである。
 これでスカイネットの意図が明らかになった   -


 敵は他種生物型ターミネーターを量産しようとしていたのだ。


 この事態のただならぬことを直覚した抵抗軍首脳部は、直ちに、なんとしてでも 先手を打って敵の生産工場を叩く、ということで意見の一致を見たものの、解決しなければならない戦術上および戦略上の問題が山積している そのミッションの敢行に、なかなか踏み切れないというのが実情なのであった。
 ふだんは戦闘に明け暮れている戦士たちが、命懸けのミッションに赴くとき同様の真剣さでもって会議に会議を重ねても、結論は出なかった。なぜならば それは、単に勝ち負けの問題ではなく、人間性のなんたるかを問うことになる深刻かつデリケートな難題だったからである。


 既に囚われの身になっている野生動物たちを、貴重な人命を危険に晒してまで救い出すのか、それとも見捨てるのか……?
 敵の施設を機能不能にするという目的のために、大地そのものを徹底的に破壊してもよいのか……?


 仲間割れにさえなりかねない白熱した議論の焦点は、詰まるところ この2点に尽きていた。


 もめに揉めた末に、北米先住民の血を引くブレア・ウィリアムスの説得を受け入れ、決定が下された   -


 未曾有の脅威となるであろうマシーン群 生産区画、それのみに対するピンポイント総攻撃と……
 少数精鋭方式を徹底させた野生動物救出ミッションとの併行作戦がそれである。


 かろうじてその選択をなしたことによって、抵抗軍の人々は自分たちの人間性へのキップを手に入れたのだ   -
 とんでもない存在をこの地球上に生み出してしまった重罪への償いとして……。
 かつて 「万物の霊長」って自称していたその栄冠を、犠牲的行為を通じて真に勝ち取るために……。




 指令基地総員の4/5が参加する総攻撃に対して、併行ミッションに従事する人員はたったの3人……。いまだ二十歳代前半の若者でありながら、その実力は歴戦の壮年戦士に匹敵するカイル・リースと、強靭な肉体に鋭敏な運動能力を漲らせた 公式ミッション デビューの少女戦士スター、そして、かれらを導き・脇から支える 寡黙なベテラン戦闘員のカムティ……。
 巨大ロボット ハーベスターやハンター・キラーを搭載し、多数の護衛兵 T-600を擁した大型輸送機トランスポートに対し、いったい彼らはどうやって挑むのか……?


 思いやりや愛だけではまだ充分ではない、真の強さと並外れた周到さが要求される過酷な闘いの幕が 次回、いよいよ切って落とされる。




    2009. 8. 29 続




AIなどに興味がある方へ 気功家SASURAI氏への第2報







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Appendix

Minr Kamti / 亀谷 稔

Minr Kamti / 亀谷 稔

1961年生まれ。
武蔵野美大卒。
建築プレゼンテーション・調理・知的障害者たちの陶芸制作活動補助、といった職を経た後に、2006年7月より創作活動に専念している微細画家 。2007年1月、銀座 - あかね画廊にて初個展。
今現在('08年4月)の描法は、かつて伐採予定地などで行なっていた舞踏を応用した自動筆記法である。
   著書 『全一の展開
         末端の必然』

             奥付より

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