『誇大妄想展開領域』 黒のカラーケントに メタリック系ボールペン

誇大妄想展開領域

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ターミネーターとレジスタンス 8

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終わらせる者抗う者 8
     三位一体 起動!   -



<2026. 08. 10. 04:55 .の視点> 『A M A T E R A S U  v e r s i o n  B. C. 4. 4  b i l l i o n s』  もしも大平原にいたなら ちょうど朝日が地平線に顔を出す刻限だ。
 そして、我々3人が身を潜めている、伸び放題に茂った未だ薄暗い灌木林の西南西およそ300マイルの地点では、総計33のポイントから総勢362人のG~H級武装の戦士集団が、収斂フォーメーションの最終ターゲットである敵の他種生物ターミネーター生産区画に対して、一斉にアタックをかけているはずの時刻……。
 ここは、仄明るくなってきた空を背景にしたバトル・マウンテンのシルエットから北西に 2.5マイルさがった地点……。


 俺の真後ろには、ほとんど体熱が感じ取れるほどの隔たりしか置かずに、まるでいま 安全な前哨基地にでもいるかのような落ち着き振りを見せつつ 片膝を立てているカイルが、そして その斜め後ろにはスターが、こちらも義兄妹に輪をかけて大人しいものの、今の状況に求められる必要以上に息を殺したまま控えている。
 ようやく17回目の誕生記念日 (と彼女が見なしている日付) を過ぎたばかりスターにとって、今回のミッションは公式戦としての初陣なのだ。物心ついた頃から機械どもと闘っている彼女のことだから 緊張しているはずはないのだが、普段よりも少しょう慎重さが前面に出すぎていたとしても決して不思議ではないだろう。
 なんせ これから 我々たった3人で襲おうとしている “獲物” は、機械軍の標準型輸送である巨大なトランスポート……その全長は優に200フィートを超えているのだから……。


 常識的な考えの持ち主なら無謀とさえ言いかねないだろうが、この布陣の基本コンセプトを編んだのは 他ならぬジョン・コナー自身………ということは つまり、充分に勝算があることを予め保障されているようなものだ。
 俺自身も これはいける、と踏んでいる。むろん古参兵 持ち前の直感だ。そう……たしかに この人選は悪くない。無勢・必要最小限であるが故の隠密性と、極めて緻密スピーディーな機動能力……。
 この2日間、移動しながらシミュレートを重ねてきたが、この俺に想定できる限りのハプニングは全て対応可能なものだった。このトリニティ・チームならば、客観的に言って 相当のことがやれるだろう。ジョンの天才的な発想は、やはり賞讃せずにいられない。


 しかし、このアイディアの優れているところは 何もその効率性ばかりではない。


 性別・年齢・個性など、その構成人員要素の全てにおいて、正に完璧なバランスが保たれているがために、「美しい」 としか表現のしようがないのである。


 三位一体……。父と、子と、精霊と………。
 あっは、なんという符合だろう……まるで あつらえたような組合せではないか……。






 待て待て、難易度の極めて高いミッションを前にして思い浮かべるに相応しい想念ではないだろう、これは……。
 やれやれ……どうも最近は、命を落とす危険性の度合に反比例するような、場違いなまでにリラックスした心境に陥るのが当り前になってきちまった。それが良いのか悪いのか……まあ、自他に期待されている仕事をその都度 こなしているのだから、決して悪い状態ではないのだろう。
 ただ 俺自身がそのことを奇妙に感じる というだけのこと……。


 連想を技術的な側面に戻すことにしよう。今は感慨にってる場合じゃない。


 当ミッションの成功率は   総司令部におけるジョンの計算で80%……この3日間で 俺が自ら修正した最終目算では、なんと88%に達している。
 これほどの好率が弾き出せた理由は、ひとえにその意外性にこそある。
 最終会議の席で ジョンも言ったではないか……


    あの賢い機械だって、いくらなんでも、まさか たったの3人で巨大なトランスポートを乗っ取りに来るだろうなんてこと、思い付けやしないだろ?


 そう……正にそうなのだ。こんな気狂いじみたミッションを考え付き、あろうことか それを敢行しようとする人間という存在を、スカイネットは一体なんと思うだろう……?
 “窮鼠猫を噛む” とか云うが日本語にあるそうだが、やつは、俺たちの危機感もそこまで極まったかと、かえって勢いづくのか、それとも理解不能の “怪物” として恐れるか……?
 いずれにせよ、いっさいの感情を持たぬ代りに 並外れて几帳面なAIのことだ……そのように “自滅的な行動” の成功率を逐いち記録しておいて、統計上のシミュレーションと照らし合わせたりするのだろう。
 ……………………。




 いま後ろでカイルがあくびを噛み殺したところ……。
 やれやれ、なんと肝の太い青年なんだろう。……まっ、頼もしい限りではあるが な。
 最高の臨戦態勢にあっても肩の力を抜き、休めるときには可能な限り エネルギー休養を補充しておくこと   これが出来てこそ過酷な戦場で最高の仕事を成し遂げることができ、更には 〔これが大事なことだが〕 生き延びていけるのだ。


 わが初弟子、カイルはとても上手くやっている……。




*



おことわり   

 前回までとは形式を違えて 4年前に敢行された野生動物救出ミッションに従事した3人の視点で描くことにしたのは、時系列的に生じていく一連のシチュエーションをできるだけリアルに、かつ包括的に表現したいがためである。このほうが読者にとっても ずっと解りやすいだろうし、何よりも 臨場感がいっそう増すという利点があるとも思うのだ。
 カムティの視点に関しては、第7話までの原典となっている本人の “日記” がベースになっていることは言うまでもない。
 カイルの視点は、昨年 極秘ミッションのために “旅立つ” よりも以前、当人から聞いたことのある幾つかの談話を 私なりに敷衍させたものである。
 「スター」 の視点は……むろん私自身が感じ・思い・考えた 当時の連想の流れの中から、他の二人の想念と時間的に連動させやすいものをピックアップして、“嵌め込んで” いった。


 ありがたいことに、少数精鋭形式の模範 と今では目されている当ミッションを直せつ知る人間は、遂にこの私一人となってしまった。カムティの “日記” が発見されたことを契機に、このような記録として形にすることができて、誰よりも大きな喜びを感じているのは きっとこの私自身であるに違いない。
 なぜならば、このささやかな仕事は 私にとって、みな互いに血の繋がりはなかったけれど とても強い絆で結ばれていた、我がに対する想いの結晶だからである。
 どうか 二人の魂が安らかであらんことを……。


 アーメン。

    編者




<2026. 08. 10. 05:07 .の視点>  この灌木林はターゲットを捕捉するのに絶好の位置にあるな、たしかに。……でも、もしも敵が出発を見合わせたりしたら……? 西方にある目的地が、たった今 ぼくら抵抗軍の総攻撃を受けてるんだから、そういうことだって 絶対にないとは言い切れないと思うんだけど……。


 でも……おじきの読みでは、輸送機かえってそのために、いま飛びたつはずだ、という。
 総攻撃の目的を即座に悟ったスカイネットは、こちらの各部隊がターゲットに辿り着く前に一掃すべく、動員可能な全戦力をつぎ込んでくるはずだから、使用動物たちの輸送を主要任務とするバトル・マウンテン所属のトランスポートをも、当初の予定に反してまで出発させ、搭載しているハンター・キラーを直ぐに発進・先行させた上で、シリコン・ヴァレーの近傍でハーベスターを降ろすだろう、と……。
 なるほど……こうやって反復してみれば、それが一番ありそうな成行きであることは確かだ。語られてるスカイネットの思考論理にも、すごくリアルな説得力が感じられる。
 あのネットワーク意識の考え方に限っては、ジョンでさえ おじきには一目置いているほど、その読みが鋭いんだ。でも、一体 なぜなんだろう……まるで じかに訊いたみたいな感じがするのは……?


 おじきは時々 奇妙な仕種をする……。遠い音に耳を済ませてるような……さもなければ、視力じゃ見えない何かを観察しているような……。
 たぶん、通常の五感ではない不思議な知覚を 実際に使ってるんだと思う。なんとなく 訊いちゃ いけないような気がして、確かめてみたことはないけれど……。


 あっ、コヨーテが1匹 こっちを見てるぞ。 オスだな、あいつは……。
 ちぇっ!……あーあ、腹へったな、まったく。




<2026. 08. 10. 05:12  .の視点>  カイル、今、考えてる……蒸し焼き コヨーテのもも肉のこと。……でも 大事なミッションの最中……いまは駄目……。悔しがってる。 できれば、獲物、視線を外し、周辺視覚で捉えて、ゆっくり右手で矢を番え、ごく何気なくロックオン………撃つ!
 いま持ってるの ライフルじゃなくて大弓   トラディショナルじゃない、ハイテクのボウ・ガンだけど……なおさら そそられる状況だね、カイル。
 わたしたち 今でもコヨーテ 大好き。バッファローやマスタングの肉よりも、ずっと……。L.A.にいた頃、あなた よく獲ってきてくれた。カイル、狩りがとっても上手。……コヨーテ、自分のほうから獲られにやってくる。カイルの中に入って、人間として生きてみたいから……。
 でも 今はだめ。そういう状況じゃない……。たとえ そうでも、このボウ・ガンじゃ 強力すぎる。あのコヨーテ 粉々……。骨まで木っ端微塵じゃ 意識を持続できない。カイルの中に入ってくる暇ない。
 我慢してね、カイル。わたし、こんな、祈らなくても大丈夫だろうけど……。解ってるよ、ちゃんと。


 このボウ・ガン、獲物、トランスポート……。矢、炸裂しない。ワイアーランチャー付き。わたしたち、巻き上げる。こっそり 乗り込む……。やつら、絶対、気づかない。
 わたしが最初……ポイントマンだから。次がカイル。最後にカムティ……。
 カムティ、バックアップ 必要ない。かれのバックアップ、見えない存在たち……。
 その中には……あのひと、いる……たぶん………




 あっ! 来る。


 出てくるよ、カイル。
 えっ! トランスポート、2匹いる。……いま 最初のやつ、シャフトに入った。
 どうするの、カムティ?


 わかった、後ろのやつね。
 O.K. 大丈夫だよ。




 ほら、浮上してきた。




    2009. 09. 09 休




野生動物を愛する方へ 午後の見回り 〔田舎編〕
天界の生き物たち







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Minr Kamti / 亀谷 稔

Minr Kamti / 亀谷 稔

1961年生まれ。
武蔵野美大卒。
建築プレゼンテーション・調理・知的障害者たちの陶芸制作活動補助、といった職を経た後に、2006年7月より創作活動に専念している微細画家 。2007年1月、銀座 - あかね画廊にて初個展。
今現在('08年4月)の描法は、かつて伐採予定地などで行なっていた舞踏を応用した自動筆記法である。
   著書 『全一の展開
         末端の必然』

             奥付より

* オフィシャルサイトにて本の内容をご紹介しております。購入のご決断をされる前に ぜひこちらをどうぞ……。

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