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  クロウト受けするSF小説を    書くための7つの秘訣

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まず前編を読む





 前回は、SF小説を実際に執筆する前に (同時進行でも むろん構わないわけだが) 詰めておくべき 背景や設定、姿勢などについて語った。
 いよいよ 本編に取り掛かろう。


 SFに限らず どんな物語作品であっても、読者の心をしっかり捉えるには、作者自身の深層心理に深く根ざしたテーマを掲げることが どうしても必要になってくる。表層の自我意識だけから発せられる薄っぺらなストーリーは、せいぜいのところ 一時的な興奮を与えられるに留まるだろう。


    あー 面白かった。


 ……くらいだったら 感じてもらえるかもしれない。
 


 だが、そこまでだ。その作品がもしも書籍だったとしたら、翌日、“BOOK OFF” の売却カウンターに持ち込まれるに違いない。
 優れた作品の絶対条件を一つだけ挙げるとしたら……それは


 再読される


 ことである。
 読者が初読で自らの心に取り込んだその内容は、2~3日のうちに潜在意識の内部で消化され、やがて沈降する。 そして そのとき物語は、読者自身の一部となるのだ。


 どういうことか?


 それを これから説明しよう。
 肝心なのは、深層心理学的リアリティである。面白味でもなければ、実は、感動 でさえない




クロウト受けするSF小説を書くための
7つの秘訣







4.心奥の神話領域を稼働させる   

 書き手たる あなた自身が、であると同時に、読み手 すなわち読者にもそうさせる必要があるのだ。
 地球上のあらゆる民族は それぞれの神話体系を持っている。そして (こちらのほうがむしろ重要なことだが)、あらゆる個人はその心の内部に、自らの神話を抱え持っているのである。
 その神話は ふつう、出自民族の文化圏において太古の昔から延々 受け継がれてきたものだ。
 人は神話なしには生きていくことができない。なぜならば それは、個人の心を同胞たちのこころ総体に繋ぎとめているだからである。その絆を失った者は、耐え難いまでの喪失感に陥って憔悴していくか、自暴自棄になって破滅への道を歩むことになるだろう。
 その意味においては、個々人の 人間としての心身を、破綻させることなく維持していくための滋養管だ とも言えるだろう。




 拍子抜けするほど月並な文句であることを承知の上で 敢えて記すが、


 人は決して一人 (「独り」 にあらず) では生きていけない……


 人里離れた森の中で、独り 自給自足の生活を送ることはできるかもしれない。だが しかし、曲がりなりにもそれが生活 (「棲息」 にあらず) であるためには、幼少時代 その人に数多の物事を教え授けた、誰か先人が存在しなければならぬ
 また、言うまでもないことだが、一哺乳動物としてのヒトには、必ず 母乳を与えてくれた “メス” の個体がいたはずであろう。
 そして母親は赤ん坊に話しかける。周囲の大人や長じた子供たちもそうする。乳幼児はそうした行為を通じて 自らの言語を覚えていくのだ。生まれつきの聾唖者であっても、教え手がいさえすれば言葉を習得することができる。如何なる言語も理解できないヒトは、いまだ人間とは云えない存在であろう。


 子守唄おとぎ話、夜毎 よんでやる創作絵本……また 現代においてはTVアニメ……これらの総体が個人神話の源である。そのとき二親 あるいは祖父母は、べつに意識することもなく、赤子が自分たちの一員になるために必要な “土壌” を、“苗床” をその小さな心に育んでいるのだ。
 潜在記憶と顕在記憶の狭間に形成される これらの神話は、民族の違いを超えた普遍的なものである。有史以前から蓄積されてきた人類総体の記憶であるが故に……。ヒトという種族がいまだ脊椎すら持っていなかった、先カンブリア期にまで遡れる源泉であるが故に……。


 20~21世紀最大の神話体系ともいえる 『スター・ウォーズ』 シリーズが、今は亡き神話学者ジョーゼフ・キャンベルが確立させた神話論の影響を多大に受けていることは有名な話だ。ジョージ・ルーカスとは個人的にも親しかったというこの碩学は、次のような言葉を残している   -


 神話は民族の夢であり、夢は個人の神話である


 あなたが今かいている物語に、読後数日間の夢に反映されるだけの深みと広がりはあるだろうか?
 そこに 《英雄》・《冒険》・《死と再生》・《未知なるもの》・《超越的存在》・《反逆》 などといった昔ながらのモチーフが、現代的装いの下にそれとなく隠されているか?
 名も知られぬ ありふれた存在が、ときとして大勢に影響を与えることもある、という 自己同一化可能性を保持し得ているか?
 などなど………。


 あらゆる読者は自分が “注目されるべき存在” であることを欲している。登場キャラクターの何者にも進んで自己同一化し得ないような作品は、50ページも読まれないうちに投げ出されてしまうだろう。






5.歴史感覚を研ぎ澄ませる   

 3方向の直交座標を含む三次元空間に、時間感覚を持って存在している以上、あらゆるものは歴史をその過去に抱えている。歴史とは 即ち変遷の記録だ。個人には自分史が、集団には民族史が、ヒトには人類史が……生物史が、地球史が、そして宇宙史が顕然と存在しているのである。
 実在と架空の如何を問わず、ある物語現在の背後には決まって膨大な過去が、綿々と横たわっていなければならない。「時空の広がり」 とでも言うべき その総体は、要するに存在史と同義である。現代宇宙論が正しいのであるならば、150億年という “歴史” がそこにはある……。


 併行宇宙だとか、異次元時空だとか、この世界とは別の領域を舞台にしていようとも、無論そこも 「歴史の流れ」 から自由ではあり得ない。歴史なき空間には、時間が全く流れないからだ。
 そもそも小説という表現スタイル自体が、「読む」 という四次元一直線上を進んでいく行為に、完全に依存しているのである。一人称で描かれていようと、三人称だろうと、主観的な視点があるところには、その外部に必ず 《他者》 が複数 存在しており、それら総体が織り成すなんらかの時間的広がりがあるわけなのだ。
 そして 研ぎ澄まされた歴史感覚は、その広がりの内部を自在に行き来し、シンクロすることが可能なのである。


 前項とも関連してくるが、あまた神話に登場する神々や怪物は、我々の祖先やその天敵にほかならない。三十数億年の長きに渡って生き延びてきた この強かな種族とそれに纏わる別種族の、たちなのである。
 かれらが往々にして人型なのは、心奥の神話領域から “汲み上げてくる” 際に、脳中で現代の我々の姿へと翻訳されているに過ぎない。
 描かれている世界が物語現在に至るまでの、まるで蠢くような変遷の過程を、リアルに感じさせることができているか?
 ある登場キャラクターの時間的背後にある総体、人間で云うなら血筋に相当するものを、たとえボンヤリとでも想像できるか?
 その世界が突ぜん消滅してしまったとしても、たとえば古代遺跡を訪れたときに感じるがごとき 歴史的重みを、あなたは自分で読んでみて実感できるか?
 などなど………。


 読者は、当人の未来に向かって読み進める以外にないのだ。あなたが描く物語もそのベクトルに拘束されているということを忘れてはならない。




 当記事をここまで読んで下さった読者はお解りであろう。このSF論は今ようやく物語現在に到達したわけなのだ。
 残す2項目は、いよいよ語り方そのもののノウハウである。乞うご期待……。








    2009. 11. 13 続




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宇宙もの だけがSFだと思い込んでいる方へ ●ボーダーラインの初仕事 Part Ⅰ
●ボーダーラインの初仕事 Part Ⅱ





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Minr Kamti / 亀谷 稔

Minr Kamti / 亀谷 稔

1961年生まれ。
武蔵野美大卒。
建築プレゼンテーション・調理・知的障害者たちの陶芸制作活動補助、といった職を経た後に、2006年7月より創作活動に専念している微細画家 。2007年1月、銀座 - あかね画廊にて初個展。
今現在('08年4月)の描法は、かつて伐採予定地などで行なっていた舞踏を応用した自動筆記法である。
   著書 『全一の展開
         末端の必然』

             奥付より

* オフィシャルサイトにて本の内容をご紹介しております。購入のご決断をされる前に ぜひこちらをどうぞ……。

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